「Ikebana (生け花)」
録音: ワルシャワ、2002年10月30-31日、ポランド・
ラジオ局ヴィトルド・ルトスワフスキホール
出版社: DUX 2002
ミハウのCDコメンタリー:
「Ikebana」は、日本への強い愛着を宣言した、ミハウ・ソブコヴィアク個人の「告白」です。1996年から持ち続けた日本へのこの強い親近感は、その後のツアーを経てさらに強いものへと成熟を遂げ、今では確信に満ちたものとなり、私の日本での活動の原動力となっています。私が実生活で経験したことや感じてきたものを元に音に表現しようと試みたのは、例えば盆栽の魅力であり、茶の独特の香りと琴の音であり、そしてさらに日本の人々の暖かさや独自の伝統を現代社会に見事に融合させてきたその独特の文化体系など、そういった情感・情景なのです。日本の大都市の雑踏の中で目の脇を着物姿がかすめるとき、私は思わず尊敬の念を抱きます。最新鋭の科学技術や半導体のイメージを持つ近代日本から離れた時間の流れのゆったりとした伝統的な儀式や行いをふと目にするとき、私はそこに不思議と安堵を覚えるのです。日本の文化を始め、音楽においても過去と現在は呪縛のように絡み合い、民族音楽や現代のヒット曲のインスピレーションとなっています。私の作曲においても、この過去と現在、そして民族音楽と現代のヒット曲というような一見対立している概念が、芸術表現の裏に隠されながらも根源となっています。極東のインスピレーションを独特の「ソブコヴィアクスタイル」で表現した結果がこのCDです。そしてその独特のスタイルを生み出した根底にあるのは、紛れもなく私のヨーロッパとポーランドという背景なのです。それが独自の、率直とも直接的ともいえる感情表現につながり、さらに日本の影響を受けることにより、よりオリジナルな構想へ、私の独特のスタイルをつくりあげているといえるとそう理解していただければ幸いです。
CD内容:
1. 「とうりゃんせ」 - わらべ唄
2. ドラマ 「金曜日の恋人たちへ」 より 「What I live for」 - 中村幸代
3. 「荒城の日月」 - 滝廉太郎
4. 「Never End」 - 小室哲哉
5. 「七つの子」 - 本居長世
6. 「赤とんぼ」 - 山田耕作
7. 「Tsunami」 - 桑田佳祐
8. 「ゆりかごの歌」 - 草川信局
9. 「First Love」 - 宇多田ヒカル
10. 「Ikebana」
- ミハウ・ソブコヴィアク
編曲: ミハウ・ソブコヴィアク